不思議な世界の「ジュエリー」その4
ジョージアンのジュエリーがアンティーク市場でもきわめて少ないのは、素材不足を補うために既存のものを壊して素材を確保したためである。
夜の照明が不十分であったこともあり、宝石は光ることよりも色を楽しむことが重視され、石留めは裏金を完全に塞いだクローズド・セッティングが中心であった。
時代のセンチメンタルな風潮を反映してか、握り合った手とか、重なったハートとかの愛情の確認の、さらには柳の木の下に置かれた骨壷といった死者を忘れないためのモティーワなどがこの頃に登場し、やがてヴィクトリア時代に一段と隆盛を見る。
長いヴィクトリア時代の助走期、それがジョージアンであった。